ヘアスタイル競技とコンテストの話。

こんにちは。小林です。


今日は実際に僕が過去に選手として出場していたり、


指導のお話を頂いて美容学生さんを教えていたコンテストの競技について少しお話しようと思います。




美容のコンテストは色々ありますが、僕がやっていた、指導していた競技は、


日本国内では「ヘアスタイル競技」と呼ばれています。


ちなみに世界大会では「Ladies Technical 」カテゴリの


「Creative」「Hair By Night」という競技で呼ばれています。


どのような競技かというと、ぬらした髪をドライヤー、ブラシを使ってブローし、


スプレー、コーム(くし)、ブラシを使って形を作っていく競技です。



形を作るだけでもかなりのテクニックが要求されますが、


更に時間制限があることによって難易度はかなりのものになっています。


日本国内ではあまり馴染みがないかもしれませんが、


世界大会において「 Senior Ladies Technical 」のカテゴリは、


表彰も最後一番最後になっている格式高い競技らしいです。



コンテストの技術はその作品だけを見れば、日々のサロンワークでは使わない、


必要のない技術に見えるかもしれません。


でもコンテストの技術を習得してれば、日々のサロンワークのちょっと難しい技術も難なくこなせたりします。



この写真は僕がアジアカップに出た時の練習中の写真です。

(確かはじめてこのスタイルを作った時の写真です。)

襟足が上に上がってキレイにアップスタイルになっていますが、


実はこれ…襟足3センチ位しかありません。


普通襟足が3センチしかない場合、アップスタイルにするは結構難しいです。


でもこのスタイルに使っている技術を応用すれば、普通に作れます。


さらに、このスタイルを作る上で必要なカット、カラー、ブロー、フィニッシュワーク等の技術は、一つ一つの技術が高難易度であるため、


このスタイルを練習しているだけで全ての技術レベルが向上します。



そういえばこんな面白い話がありました。


僕が実際に技能五輪のトレーナーとして技術指導していた美容学生の子たちは、


技術の練習時間はそのほとんどを技能五輪の練習に当てるため、


普通に美容学生の子たちが練習する国家試験の課題などはほとんど練習出来なかったらしいです。


その時僕は「クリエイティブ」と「ヘアバイナイト」を指導していたのですが、


その子達は毎週僕のところに来て練習していたし、


学校に行ったときも普通の教室ではなく別の教室で練習していました。



ちなみに美容学生さんが出るコンテストはたくさんあるのですが、


国家試験課題であるワインディングなどのコンテストもあります。


僕が指導させていただいていた美容学校も、僕の教え子の技能五輪に出場する選手たちとは別に、


その他のコンテストに出場する選手もいたみたいです。


美容学校は定期試験の実技課題を国家試験課題にしているところがほとんどなのですが、


僕の教え子たちも定期試験を受けることになります。


定期試験の結果。その別のコンテストに出場する選手より成績が上だったらしいです。



これって普通に考えたら凄いですよね?


ほとんど練習してないのに、それを専門に練習してコンテストに出ようとしている子たちよりうまく出来るんですよ?


でも僕はそれを聞いても別に驚かなかったです。


ヘアスタイル競技を突き詰めてやっていれば技術レベルが底上げされるのは分かってたので。


その年の年末。その子達は技能五輪の全国大会で見事金賞・銀賞を受賞しました。




よくコンテストに出場する子たちに、


「やる意味あるの?」とか「なんでやってるの?」みたいなことを言う人がいると聞きました。


まあそうですよね。やってなかったら苦労もわからないし、


ましてやその先で得られるモノの事なんてわかるはずないですからね。



コンテストで身につけられる技術は必ずしも必要な物ばかりでは無いかもしれません。


しかし、コンテストの練習で行う技術のトレーニングや、


目標に向かって何かを積み重ねていく過程で得られる何かは必ず役立ちます。


これから先、コンテストに出場する選手に少しでも何かを感じてもらえるように伝えられることを伝えていこうと思います。


長くなりましたが今回はこれで終わります。


それではまた。